最後のサマーフェス
2003年8月25日それは、私が住んでいるマンションの夏祭り。
自然の中で爆音で音楽を聴くロックフェスでは
ない。
都会のマンションで暮らす住民が主催する
ゆるーくて、アットホームなフェス。
それほど広くはないエントランスに、
茶色い事務机を並べればビアホールに。
まん丸い提灯がいくつかぶら下がり、それが
祭りの雰囲気をそこはかとなく醸し出している。
アットホームつったって、このマンションにずっと
すんでいる人達だけが楽しめるものだから、
新参者の私にとってはあまり関係ないもの。
ちょうどその時私は夕食を作っていて、
ビールが飲みたかった。
勢いで下に下りていき、受付(一応ある)
のおっちゃんに「ビールはいくらですか?」
と、聞いてみた。
病気か何かで口元がうまく開かないおっちゃんは
聞き取りにくい言葉で、私の後方を指差した。
「え?」って感じで私がけげんそうな表情で
おっちゃんを見つめると、彼は笑顔でスタスタと
歩き出した。
水を張った子供用のプールには、ジュースが
冷やしてあった。
そこからおっちゃんは、缶ビールを2本取り出し
表面についたしずくをきれいにふき取って、
渡してくれた。
「ありがとうございます」
ちょっと恥ずかしくて、それを言うのが精一杯で
慌てて部屋に戻った。
ビールを抱えながら戻る途中、何だかおかしくなった。だって、子供のころは手の中にあるものが、綿菓子やヨーヨーだったけど、宝物を手にしたようなワクワク感はまるで変わってなかったからだ。
ゆるーい、夏祭り。
消えずにずっと残っててほしいな、こういうの。
自然の中で爆音で音楽を聴くロックフェスでは
ない。
都会のマンションで暮らす住民が主催する
ゆるーくて、アットホームなフェス。
それほど広くはないエントランスに、
茶色い事務机を並べればビアホールに。
まん丸い提灯がいくつかぶら下がり、それが
祭りの雰囲気をそこはかとなく醸し出している。
アットホームつったって、このマンションにずっと
すんでいる人達だけが楽しめるものだから、
新参者の私にとってはあまり関係ないもの。
ちょうどその時私は夕食を作っていて、
ビールが飲みたかった。
勢いで下に下りていき、受付(一応ある)
のおっちゃんに「ビールはいくらですか?」
と、聞いてみた。
病気か何かで口元がうまく開かないおっちゃんは
聞き取りにくい言葉で、私の後方を指差した。
「え?」って感じで私がけげんそうな表情で
おっちゃんを見つめると、彼は笑顔でスタスタと
歩き出した。
水を張った子供用のプールには、ジュースが
冷やしてあった。
そこからおっちゃんは、缶ビールを2本取り出し
表面についたしずくをきれいにふき取って、
渡してくれた。
「ありがとうございます」
ちょっと恥ずかしくて、それを言うのが精一杯で
慌てて部屋に戻った。
ビールを抱えながら戻る途中、何だかおかしくなった。だって、子供のころは手の中にあるものが、綿菓子やヨーヨーだったけど、宝物を手にしたようなワクワク感はまるで変わってなかったからだ。
ゆるーい、夏祭り。
消えずにずっと残っててほしいな、こういうの。
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